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第28回(2019年度)

紅型デザインコンテスト

りゅうぎん紅型デザインコンテスト

沖縄県の伝統工芸の一つである紅型の振興と若手工芸家の育成ならびに紅型デザインの新しい領域を追求していくことを目的に、「りゅうぎん紅型デザインコンテスト」を毎年開催しています。応募作品は展示会で発表するとともに、入賞作品については当行のカレンダーや通帳、広報物などに広く活用しています。

※りゅうぎん紅型デザイン公募展は、第17回(平成20年)より、りゅうぎん紅型デザインコンテストに名称を変更しています。

※画像をクリックすると拡大表示します。

一般枠

大賞
「はじまり」
平良 奈菜

技術賞
「帰り道の花」
喜屋武 滉子

デザイン賞
「花タイルと流水」
神野 俊一

奨励賞
根源(こんげん)~ガジュマル~」
大城 章子


奨励賞
「フクロウたちの隠れ家」
平良 紗矢野

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はじまり
【1024×768】【1280×800】
帰り道の花
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花タイルと流水
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根源 ~ガジュマル~
【1024×768】【1280×800】
フクロウたちの隠れ家
【1024×768】【1280×800】
 

未来枠

優秀賞

「沖縄の可能性」
新垣 鈴

優良賞

「完全変態」
岡田 柊一

審査員特別賞

「悠々と」
砂辺 海里

審査員特別賞

「琉球花龍(かりゅう)
諸見 果歩

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沖縄の可能性
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完全変態
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悠々と
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琉球花龍
【1024×768】
【1280×800】

審査総評

紅型の美と心 見直し大事 宮城篤正(県立芸術大学名誉教授)

 2019年は平成から令和へ改元され、慌ただしさの中でも未来に明るい希望を人々は抱いた。一方、沖縄では組踊が初演されてから三百年を迎え、多くの関連記念行事が行なわれている。組踊は王朝時代に中国冊封使歓待のため、玉城朝薫によって創作上演された。その舞台を彩る紅型幕や役者達の紅型衣装は、いやが上にも華やかさが際だち、更に、琉球舞踊の紅型衣装もまた然りである。
 IT革命は私達の生活環境や価値観を大きく変え、沖縄の伝統工芸も厳しい状況に直面してきた。そんな中で企業メセナが紅型界に手を差し延べて今年で第28回目の「りゅうぎん紅型デザインコンテスト」を迎えた。以下に受賞作の寸評を記す。

■一般枠
 一般枠の大賞に「はじまり」平良奈菜さんの作品が選ばれた。先きにふれたが平成から令和への改元の年にピッタリの作品である。
 作品全体から受ける印象や色感、描き込まれた多くのモチーフ等から夢と希望、明るい未来を感じさせる。
 技術賞「帰り道の花」は喜屋武滉子さんの作品である。サガリバナが垂直に咲き誇り、木の葉っぱや花の配色を工夫、背景の白い空間を巧みに生かした構成も清々しい。
 デザイン賞「花タイルと流水」は神野俊一さんの作品である。作者は過去にデザイン賞と奨励賞を各1回受賞、今回は2度目のデザイン賞受賞でベテランの染色作家である。これまでも制作意図がハッキリした作品を応募、今年もコンセプトは明確である。流水紋は古典柄でおなじみであるが、それをダイナミックに画面全体にくねらせ、花タイルとリズムよく配置した花々の配色、巧みな構成力に加えて技術のさえが見事である。
 奨励賞一点目の「根源~ガジュマル~」は大城章子さんの作品。空と大地をかすみ雲で二分割し、大・小の丸紋をリズムよく配置、ひときわ大きな二つの丸紋にガジュマルの気根がからみ合う構図や多くの模様と色彩等技巧をこらした作品である。二点目「フクロウたちの隠れ家」は平良紗矢野さんの作品。作者は過去にも奨励賞受賞があり、今回2回目の受賞である。画面全体がやさしい配色でサガリバナの咲く森の中にフクロウの家族が各々の位置で枝に憩い、下方の水面にはサガリバナが浮いている情緒溢れる場面設定の作品である。

■未来枠
 未来枠の受賞者4人は揃って首里高校の生徒である。その中の優秀賞には「沖縄の可能性」新垣鈴さんの作品である。沖縄の文化が発展する願いを込めて、月・太陽・宇宙をイメージして表現したとある。若者の新鮮な感性が構図や色彩からも感得出来る。
 優良賞「完全変態」は岡田柊一さんの作品。バック全体を明るい灰青色で統一、そこにサツマイモのつる・葉っぱ・イモの花・オオゴマダラ・てんとう虫・バッタ等を配置した無難な作品である。
 審査員特別賞は甲乙無しで2作品が選ばれた。「悠々と」砂辺海里さんと「琉球花龍」諸見果歩さんの作品である。砂辺さんの作品は画面全体にタイル状の模様を色分けで海中のキラメキを表現、上方に悠々と泳ぐジンベイザメ、下方には美しい珊瑚、画面中央部分にはシュノーケルをつけて泳ぐ二人の人物と無数の魚が泳ぐ情景は作者の夢をとても可愛らしく表現している。
 諸見さんの作品はタイトルの奇抜さとダイナミックな構図に大胆な色使いはいかにも若者の元気に満ちた作品である。
 以上が簡単な寸評である。結びに私見と所感を述べる。過去からの入賞作を一べつすると、まずポスターの意識が強いこと、それに色彩も中間色が多く本来の紅型の明るい鮮やかさは薄らぎ、更に線の伸びやかさと力強さに乏しい作品が多く見られる。それには多くの理由があることも承知している。今更諄いことを言うようだが、応募者は今いちど立ち止り、先人達が創り上げた紅型の美と心を見直すことも大事ではなかろうか。

【2019年9月13日付 琉球新報掲載】

デザイン意図(一般枠)

大賞「 はじまり」

元号がかわり、新しい時代へ成長しながらはばたいていく姿と守りたい沖縄の美しい風景をあわせて表現しました。

技術賞「帰り道の花」

帰り道の街路樹にサガリバナがある。帰る時間帯は満開ではないが花が咲いたものやつぼみ、花がおちてがくだけになったものや大きな実がついており、見た目がおもしろいのでそれを取り入れて制作した。

デザイン賞「花タイルと流水」

構築された花タイルの間を水が流れることでタイルが崩れだし花々が自由になる様子を表現しました。

奨励賞「根源 ~ガジュマル~」 

私達に必要な要素地水火風を表現しました。シンプルに自然を大事にしたいという思いを形にしました。

奨励賞「フクロウたちの隠れ家」

森の奥にあるフクロウたちだけが知る美しい隠れ家をイメージし、表現しました。

デザイン意図(未来枠)

優秀賞「沖縄の可能性」

沖縄の文化のつながりがこれからも大きく、深く、広がって、つながっていくようにという願いを込め、下から月、太陽、宇宙をイメージして表現しました。

優良賞「完全変態」

サツマイモ畑にオオゴマダラとてんとう虫とバッタを描きました。昔から自然や昆虫が好きだったのでこのデザインにしようと思いました。

審査員特別賞「悠々と」

私はジンベイザメの雄大さが好きでいつか一緒に泳いでみたいという夢を紅型のデザインに表現しました。背景はタイル調にし海のキラメキを表現しました。

審査員特別賞「琉球花龍」

あらゆる方向からみるとさまざまなものに見えるようにデザインしました。また、その素材は沖縄の花で形づくりしました。