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第30回(2021年度)

紅型デザインコンテスト

りゅうぎん紅型デザインコンテスト

沖縄県の伝統工芸の一つである紅型の振興と若手工芸家の育成ならびに紅型デザインの新しい領域を追求していくことを目的に、「りゅうぎん紅型デザインコンテスト」を毎年開催しています。応募作品は展示会で発表するとともに、入賞作品については当行のカレンダーや通帳、広報物などに広く活用しています。

※りゅうぎん紅型デザイン公募展は、第17回(平成20年)より、りゅうぎん紅型デザインコンテストに名称を変更しています。

※画像をクリックすると拡大表示します。

一般枠

大賞

大賞
生命(いのち)のゆりかご」
吉濱 愛

技術賞

技術賞
「つながる海」
赤嶺 耕平

デザイン賞

デザイン賞
(こいねが)う未来」
上間 ともみ

奨励賞

奨励賞
「晴天に実るゴーヤー」
島尻 稚菜

奨励賞
奨励賞
「命湧く!」
赤嶺 美代子

 壁紙ダウンロード
生命のゆりかご
【1024×768】【1280×800】
つながる海
【1024×768】【1280×800】
冀う未来
【1024×768】【1280×800】
晴天に実るゴーヤー
【1024×768】【1280×800】
命湧く!
【1024×768】【1280×800】
 

未来枠

優秀賞

優秀賞

「願い」
與那嶺 莉来

優良賞

優良賞

「私たちの沖縄」
仲宗根 琴鈴

審査員特別賞

審査員特別賞

「聖なる大地」
柳田 海里

壁紙ダウンロード
願い
【1024×768】
【1280×800】
私たちの沖縄
【1024×768】
【1280×800】
聖なる大地
【1024×768】
【1280×800】

審査総評

新しい伝統 創造を期待 渡名喜はるみ氏(夏至工房) 

 コンテストが30回を数えた。大賞作品はりゅうぎんのポスターカレンダーとして一年間、目にする機会が多く、りゅうぎんの紅型コンテストらしい作品、というコンセンサスを得てきていると思う。応募作品が、そのイメージに向かっていく傾向はどうしても強くなる。だが、このコンテストのコンセプトは「新しい伝統の創出」である。その点からも今回の一般枠の大賞作品は独自のコンセプトを持ち、古典に寄り掛からず、これまでの受賞作品に引きずられていないという点で、とても新鮮に感じた。
 毎回制作する側の圧倒的なエネルギーを感じる公募展だが、今回の未来枠には特にそれを感じた。今回の19点全てが授業の課題で取り組んだ作品とのこと、このコロナ禍で実習時間の変更や短縮があったと思われる。時間の制約と、作品サイズB2版(縦728ミリ×横515ミリ)の制限をポジティブに捉え、自分なりの表現がどこまでできるか挑戦した姿勢が見えて明るい気持ちで審査した。授賞した3点以外にも、どの作品も未来枠にふさわしい作品ばかりで、全体を評価したい。

■一般枠
 大賞「生命(いのち)のゆりかご」吉濱愛 審査会場で、真っ先に構成の良さと新鮮な色彩にかれたが、他の作品の多種のモチーフと工程からくる画面密度に比べると、ポスターカレンダーとしては弱いかな、と感じたことも事実である。賞候補を絞っていく中で、リズミカルな画面構成力と、「紅型はこうあれ」という型にはまらずに、自分の色を持ち込めた造形力が際立った。
 海に流れ込む水域に咲くサガリバナと白地をバランス良く残した水の流れ、生命力あるヒルギの表現も新鮮である。船をぐ人のモチーフは現実の生活を感じさせるとともに、風景の奥行きを出すことに成功している。「新しい紅型を創出」にふさわしい作品と感じた。リズミカルでありながら心安らかな気持ちになる―という審査員全員の意見の一致で大賞となった。
 技術賞「つながる海」赤嶺耕平 海の中にもう一つ海の世界をつくるというトリックアート的な表現を持ち込んでいて、自分なりの紅型を模索してここにたどり着いたというエネルギーを感じた。このような作品は、型彫りの技術を持っていないと全部がひしゃげてしまう。うまく自分をコントロールしながら、型染めをするという基本の姿勢ができている点を評価した。
 画面を引き締めるため、完成後に再度部分的に色を差す方法をとり、その効果も完成度を上げている。技術に裏打ちされた作品である。
 デザイン賞「冀(こいねが)う未来」上間ともみ テーマに向けてたくさんのモチーフでアプローチを掛ける作品で、ともすると饒舌じょうぜつなあまり構成が難しくなりがちな方法でもある。そこを創作する意志の強さでコントロールし、目線を導く現代的な道路の周りをあらゆる生命体による独自のカラーで彩り、テーマの「冀う(切望する)」気持ちをエネルギッシュに表現した点を評価しデザイン賞となった。
 奨励賞「晴天に実るゴーヤー」島尻稚菜 ゴーヤーのゴツゴツした感触を型彫で生命力あるモチーフに表現できた。可憐かれんな黄色い花が、日々実っていくことにワクワクしている様子が伝わる。ベースの青空のグラデーションは、幾何学的な細かい柄を重ね置きしたことで、画面に奥行きを出す効果となった。
 奨励賞「命湧く!」赤嶺美代子 型彫りの技術が確かな作品。「命湧く!」というテーマに向けて、作者が日々向き合ってきた姿勢が感じられ高評価であった。作品意図の珊瑚の放卵のインパクトが、多種多様な表現の魚の存在に少しぼやけてしまったことが残念に思う。

■未来枠
 優秀賞「願い」與那嶺莉来 作者が今までいろいろな紅型を見て習得してきたものを踏まえて、自分なりのコンセプトにまとめ上げた力を評価した。鳳凰にしても首里城正殿にしてもありがちなモチーフではあるが、作者のオリジナルの形に持ち込めたところも若さだと思う。
 優良賞「私たちの沖縄」仲宗根琴鈴 花で沖縄本島をかたどり、花に未来を託したイメージが評価された。全体にぼかし染めでメインの柄を囲み、斜めに横切る植物を配したことでリズミカルにしている。
 審査員特別賞「聖なる大地」柳田海里 象のモチーフは今までの紅型の歴史につながらないが、自分の持つテーマの表現として象を持ち込んだ若さをうらやましく思う。作品意図を読むと、象に託したことはきちんとコンセプトがあることが伝わり、作者の立ち位置の確かさを感じた。多色使いのバランスも良く特別賞となった。

【2021年10月19日付 琉球新報掲載】

デザイン意図(一般枠)

大賞「 生命のゆりかご」

“パシャパシャ、ピィーピィー、パチッパチッ”。森の海へ漕ぎ出すと聞こえてくる生命が発する音。マングローブ林に生きるたくさんの生き物はこのオアシスに守られていた。そんな生物多様性を支える貴重で豊かな生態系を守り繋いでいきたいと願いを込めて。

技術賞「つながる海」

小さい魚から大きなジンベイザメをデザインし、広い海を連続柄で表現してみました。

デザイン賞「冀う未来」

色彩豊かで光り輝くまま変わらずにいることを、切に願い望む。

奨励賞「晴天に実るゴーヤー」 

爽やかな青空の下、暑さに負けず実るゴーヤーを力強くデザインしました。背景には太陽の光の輝きを模様にして取り入れました。

奨励賞「命湧く!」

満月の夜の神秘的な珊瑚の放卵を表現してみました。

デザイン意図(未来枠)

優秀賞「願い」

ここ数年で首里城火災や新型コロナウイルスで自由が奪われるなど、沖縄だけでなく世界中で沢山の悲しい出来事がおこりました。鳳凰には平和や幸福の意味があり、より良い未来になるようにと願いデザインしました。

優良賞「私たちの沖縄」

沖縄の市町村の花で沖縄県を作りました。努力した点は、シークワァサーと鳥の色です。また、同じ色が隣合わないようにしました。

審査員特別賞「聖なる大地」

僕の体を動かすのに、どれだけのパワーが必要だと思う?君も聖なるパワーそのものだから、今生きる事ができているんでしょ?象より